アパレルOEMでは、製品が仕上がったあとにも、検品、梱包、輸送、通関、保管、発送といった多くの工程が続きます。海外で生産するなら、なおさらです。ここでは、工場を出た製品がお客様の手元に届くまでの流れと、物流で起きやすいつまずき、EC販売ならではの作業について整理します。
生産のあとにも、仕事は続く
海外の工場で生産した製品は、おおよそ次の流れで日本の販売先に届きます。
- 工場での出荷前検品
- 販路に合わせた梱包・箱詰め
- 輸出通関
- 国際輸送(海上・航空)
- 日本での輸入通関・関税の納付
- 国内配送、または倉庫での保管
- 店舗・ECモール・お客様への発送
工程ごとに担う会社が分かれていると、どこかで情報が途切れやすくなります。数量の違いや梱包の不備が、日本に届いてから見つかるということも珍しくありません。生産と物流をつなげて管理できるかどうかが、納期と品質を左右します。
海上輸送と航空輸送
国際輸送は、大きく海上輸送と航空輸送に分かれます。中国から日本へ送る場合の、おおよその違いは次のとおりです。
| 海上輸送 | 航空輸送 | |
|---|---|---|
| 日数の目安 | 通関・国内配送を含めて1〜2週間ほど | 通関・国内配送を含めて数日〜1週間ほど |
| 費用 | 量が多いほど割安 | 重さと容積で決まり、割高 |
| 向いているケース | まとまった数量の本生産、定番品 | 急ぎの追加生産、サンプル、少量の補充 |
※日数は港や便、時期、通関の状況によって変わります。
販売開始日から逆算して、どの製品をどの方法で送るかを決めておくと、輸送費を抑えながら欠品も防ぎやすくなります。
輸入通関と関税
日本に輸入するときは、インボイス(仕入書)やパッキングリスト(梱包明細)などの書類をもとに通関を行い、関税と消費税を納めます。衣料品の関税率は、品目や素材、協定を使えるかどうかによって変わります。
書類の品名や数量、金額が実際の荷物と合っていないと、通関で止まり、納期が遅れる原因になります。品質表示やケアラベルなど、日本で販売するための表示が整っているかも、出荷前に確かめておきたいポイントです。
物流で起きやすいつまずき
繁忙期と春節の混雑
年末や春節の前は、工場も物流も一気に混み合います。船や飛行機の枠が取りにくくなり、通常より日数がかかることもあります。春節前に出荷を終えるのか、明けてから出荷するのかを、早めに決めておく必要があります。
書類の不備で止まる
品名の書き方や数量の食い違いといった小さな不備でも、通関は止まります。生産側と物流側で、同じ情報を見ながら書類をつくることが大切です。
梱包が原因の汚れや型崩れ
長い輸送のあいだに、箱がつぶれたり湿気を含んだりすることがあります。製品の形や素材に合わせた梱包を選ばないと、届いた時点で売れない状態になってしまいます。
販路ごとの納品ルールに合っていない
ECモールや百貨店、専門店には、それぞれ納品のルールがあります。ラベルの位置や袋の仕様、箱の大きさが合っていないと、受け取りを断られたり、日本で詰め直す手間と費用がかかったりします。
EC販売で必要になる「生産と発送のあいだ」の作業
EC販売では、工場から出た製品をそのまま発送できることはほとんどありません。販路に合わせて、次のような作業が必要になります。
- ECモールごとの基準に合わせた梱包とラベル貼り
- 袋入れ、たたみ直し、下げ札やネームの付け替えといった製品の二次加工
- 複数の商品を組み合わせたセット組み
- 販売の動きに合わせた在庫の保管と、必要な分だけの出荷
こうした作業を日本の倉庫に頼むか、生産地で済ませてから送るかによって、費用も日数も変わります。
日本に倉庫を持たないという選択
日本に自社の倉庫を持たず、生産地で在庫を保管しておき、売れ行きに合わせて必要な分だけ日本へ送るというやり方もあります。
日本で倉庫を借りる費用や、一度に大量の在庫を抱える負担を抑えられるのが利点です。一方で、注文から届くまでの日数は、日本に在庫を置く場合より長くなります。売れ筋の商品だけは日本に置き、それ以外は生産地で保管するなど、商品ごとに使い分けるのも一つの方法です。
MONOIDの物流
MONOIDの中国拠点は、南通にある6階建ての自社ビルです。そのうち1階から4階を物流に使っており、検品ライン、発送ライン、保管倉庫を備えています。ビルの外にもスペースを借り、自社倉庫として運用しています。物流に使っている面積は、自社ビルの1〜4階で合計約3,869㎡、ビル外の自社倉庫で合計約2,268㎡、あわせて約6,100㎡です。パレットで約850枚分の在庫を保管できます。


物流の規模
| 通常時 | 繁忙期 | |
|---|---|---|
| 出荷箱数(1か月) | 約4,583箱 | 約6,000箱 |
| 購入者への直接発送(1か月) | 約1,000個 | 約3,000個 |
| 物流のスタッフ | 社員46名、パートタイムのスタッフ約40〜50名 | |
保管している在庫は、棚や箱ごとに番号を振り、QRコードのラベルで管理しています。


物流を自分たちで担うようになったきっかけは、EC販売を手がけるお客様が多かったことです。各ECモールへの発送に合わせた梱包や製品の二次加工、在庫の保管が必要になり、その要望に応えるなかで、自社の物流が育ってきました。日本に倉庫を持たないお客様のために、在庫を南通で保管し、必要な分だけ日本へ発送するといった対応もしています。
対応している作業
- 検品、梱包、ラベル貼り
- 袋入れ、タグの付け替えなどの二次加工
- セット組み
- 保管、ピッキング、発送
Amazon、楽天市場、Qoo10、BASEなどで販売するお客様の、各モールへの納品や、購入者への直接発送にも対応しています。これまでに、次のような物流拠点への納品実績があります。
- Amazon FBA
- 楽天スーパーロジスティクス(RSL)
- ZOZOへの納品
- Yahoo!ショッピングへの直納
- オープンロジ(OpenLogi)
- StockCrew
- セールスモンスター(セルモン)の倉庫
- ロジモプロ物流センター
輸送のルート
荷物の量や納期に合わせて、航空便、船便、コンテナを使い分けています。コンテナでの輸送は、中国側は集荷地に近い港から、日本側は配送先に近い港へ送ることで、陸上の輸送距離をできるだけ短くしています。
| 中国側 | 日本側 | |
|---|---|---|
| 航空便 | 南通空港、上海の空港 | 東京、大阪 |
| 船便 | 上海港、寧波港 | 東京、大阪 |
| コンテナ | 集荷地に近い港(上海港、寧波港、太倉港、青島港、天津港、蛇口港など) | 配送先に近い港(東京港、大阪港、神戸港、名古屋港など) |
※物流関連のサービスはオプションです。通常のOEMのお見積もりには含まれておらず、必要に応じて別途お見積もりとなります。
生産、検品、梱包、保管、発送が同じ拠点でつながっているため、工程のあいだで情報が途切れません。必要に応じて、製品が仕上がってから販売先に届くまでを、一つの窓口で進めることもできます。
服づくりは、お客様の手元に届いたときに完成する。