MONOID(ものイド)は、2026年に立ち上げたアパレルOEM専門のブランドです。ブランドとしては新しいのですが、その背景には、中国・南通で17年以上にわたって貿易と生産に携わってきたグループの歩みがあります。私たちがどこから来て、何を大事にしているのかをお話しします。
OEMを続けるほど、見えにくくなるもの
OEMでの生産を何シーズンか続けていると、立ち上げの頃には気にならなかった課題が少しずつ表に出てきます。
たとえば、工場とのやり取りが一人の担当者に集まっていて、その人がいないと進捗も、仕様が決まった経緯も分からない。見積もりは一つの金額で届き、生地・工賃・物流・関税のどこにコストがかかっているのかが見えない。サンプルでは問題がなかったのに、量産になると寸法や縫製がずれる。
こうした問題は、工場の良し悪しだけでは説明がつきません。仕様をどう伝え、工程をどう確かめ、誰が判断するのか。多くは、工場とブランドのあいだにある「生産管理」の領域で起きています。MONOIDは、この領域を専門に扱うために生まれました。
南通で積み重ねてきた17年
私たちのグループは2008年、越境ECの事業から始まりました。2010年には本社を中国・南通に移しています。南通は繊維や縫製の産業が集まる地域で、ここに拠点を置いたことが、その後の事業の方向を決めることになりました。
2011年からは日本企業と提携し、日本市場向けのブランド展開に携わるようになります。日本のブランドが求める品質の基準や、仕様の細かさを現場で学んだのはこの時期です。2015年にはアパレル部門を独立させ、衣料品の生産に本格的に取り組んできました。
日本側では、2025年に株式会社NEXLINKとして東京・麹町に拠点を構えました。そして2026年、アパレルOEMに特化したブランドとして立ち上げたのがMONOIDです。
なぜ、専門ブランドとして独立させたのか
グループはこれまで、貿易や越境EC、生産の支援など、幅広い事業に取り組んできました。その中で、アパレルOEMを今後の事業の柱に据え、この分野の専門性をとことん追求すると決めたことが、MONOIDの出発点です。
多くの事業の一つとして続けることもできました。それでも独立したブランドにしたのは、知見も人も、この領域に集中させたかったからです。OEMの実務を経験してきた方が相談相手を探すとき、「何でもやる会社」ではなく「この分野を突き詰めている会社」であることが、判断の材料になると考えました。
名前に込めたこと
MONOIDという名前は、二つの言葉を組み合わせています。
- ID:アイデアやアイデンティティ。ブランドが持っているもの。
- MONO:ものづくりとサプライチェーンの実務力。私たちが担うもの。
ブランドのアイデアに私たちの実務力を掛け合わせ、確かな「もの」に変える。その役割を、そのまま名前にしました。
私たちが担っていること
MONOIDが担うのは、デザインが決まってから製品がブランドの手元に届くまでの、生産の実務全般です。ラフスケッチや参考商品から工場が判断できる精度の仕様書をつくり、素材と品質水準に合わせて調達先と工場を選び、原価の構造を組み立てる。サンプルから量産までの工程を管理し、縫製の段階から出荷前まで現地で検品する。送金や輸入通関、国内倉庫やAmazon FBA倉庫への納品までを一つの流れとして扱います。
この体制の中心にあるのは、東京・麹町の日本側窓口と、工場に直接入る南通の現地チームが、同じ仕様書をもとに一つの案件を管理していることです。日本と中国のあいだで情報が途切れないこと。それが、17年の現場から私たちが得たいちばん大きな教訓でもあります。
具体的なサービスの内容はサービスのページに、ブランドとMONOIDの役割分担は発注の流れのページにまとめています。
私たちが大事にしている3つのこと
1. 仕様書を、すべての基準にする
口頭やチャットで伝えた「いい感じに」は、工場に届くころには別の意味になっていることがあります。素材・寸法・縫製・付属の指示を仕様書に落とし込み、判断に迷ったときは必ずそこに立ち返る。担当者が替わっても品質がぶれない体制は、ここから始まります。
2. 原価を、構造として共有する
原価を一つの金額としてではなく、素材・工程・物流といった構造として捉え、判断の材料をブランドと共有します。どこを変えれば何が変わるのかが見えていれば、品質と原価のバランスをブランド自身が判断できます。
3. 現場に、人を置く
南通に常駐する自社チームが工場に直接入り、縫製の段階から出荷前の検品まで確認します。報告書だけでは分からない現場の状況を、自分たちの目で確かめることを何より重視しています。
ものづくりの不確実さは、なくすことはできなくても、仕組みで小さくすることはできる。